住宅ローンを早めに一括返済するか、それとも返済は計画通り続けて余剰資金をNISAで積み立て運用するか──
この悩みは、ローン残高が少なくなってきた世代にとって非常に身近なテーマです。
今回は、金利1.7%・残り返済期間2年という条件を例に、どちらが得かを比較します。
1. 一括返済のメリット
- 確実に利息分が得られる
金利1.7%なら、残り2年で返済すれば約8.5万円の利息を節約できます。 - 借金ゼロの心理的安心感
- 毎月の返済額がなくなり、キャッシュフローが改善
2. NISA積立運用のメリット
- インデックス投資で長期運用すれば、年4〜5%の利回りが期待できる
- 複利効果で資産が大きく増える
- NISAなら運用益は非課税
3. シミュレーション比較(例)
条件:毎月10万円をインデックスファンドで積立(年4%想定)、65歳まで運用
ケース | 説明 | 65歳時の資産額(例) |
---|---|---|
一括返済後に積立開始 | 返済終了後に積立スタート | 約1,218万円 |
返済と積立を同時進行 | 今すぐ積立開始 | 約1,522万円 |
半返済+積立 | 半分だけ繰上返済し返済負担軽減 | 約1,522万円 |
※資産額はあくまで試算。将来の利回りは保証されません。
4. 結果のポイント
- 返済を急ぐより、早く積立を始めた方が長期的には資産が増える可能性が高い
- 金利が低ければ低いほど、この傾向は強まる
- ただし、株価変動リスクはゼロではないため、心理的に不安な場合は「半返済+積立」がバランス良い選択肢
5. 判断の基準
- 返済負担が家計を圧迫していないか
→ 圧迫していなければ運用優先も検討 - 金利は何%か
→ 高金利なら返済優先、低金利なら運用優先 - リスク許容度はどのくらいか
→ 借金ゼロの安心感を重視するか、資産拡大を重視するかで決める
まとめ
- 住宅ローン金利が低く、家計に余裕があれば「返済せず積立」の方が資産は増える可能性が高い
- ローン残高が気になる場合は、半分返済して残りを運用する「ハイブリッド戦略」もおすすめ
- どちらを選んでも、計画的に資産形成を続けることが大切